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ロックダウンと自然療法

ロックダウンと自然療法

 

ロックダウンとなり、街は静かになった。人との接触が制限され、人が集まるところに人がいなくなった。生活必需品を扱う店以外は基本閉鎖されているものの、人々の欲求が制限されているわけではなく、目にはみえないアンバランスが生まれている。

 

インターネットによって買い物や娯楽もしくは仕事や学習の領域まで幅広く、これらの不都合を埋め合わせてくれるのはありがたい。そしてその発展に感動を覚えることさえもある。しかし、どんな精巧な人工知能をもったロボットができても、まだ生身の人間と比較にならないほど不自然であるのと同じくらい、バーチャルな世界では私達の欲求をみたす代わりにはなりえない。

 

人間には五感があり、視覚・聴覚・嗅覚・味覚・触覚が携わっている。今ロックダウンで私達が集中的に使っているのは、視覚だ。もちろん、家庭生活の中ではこの五感をある程度働かせているので、私達はまだバランスを保っていられる。だけど、コロナ感染状況が1年以上続き、長期化することで、この自然のバランスが偏り続けることに注意しなければならない。会いたい人にもあえず、行きたい場所にもいけない、したいことが思うようにできない状況が長期にわたっていることは、五感に加え、精神面でも影響をおよぼし続けている。

しかし、私達はこうした逆境からいつも立ち上がってきた。そこから新しい発見や発明が生まれてきている。技術面の発展だけでなく、人が人間であることへの意識、人と自然とのかかわりが一層重要性を増してくるだろう。そのためには、目先の課題だけでなく、自分に向き直り、自分の欲求に耳を傾ける姿勢が大切だと思う。コロナ以前でも、現代人はすでに毎日に忙殺され、五感や精神的なケアを怠りがちだったのではないだろうか。

 

ポストコロナ(コロナ後)の生活は変わるだろう。対面で行わなくてすむ仕事は、今後さらに改善が進み、効率化されるだろうし、接触がどうしても必要な業態はその重要性が見直されると思う。技術がどんなに発展しても、コロナ禍でもっとも業績を上げているオンライン業界(デジタルサービス)が繁栄を極めても、最終的には人は人との接触を必要とする分野を切り捨てることはできないことを実感することになる。つまり、コロナは私達に、人間らしくバランスのとれた生き方をするには、いままでの技術偏重型の生きかたでは行き詰ることを気づかせた。

 

ひとと触れ合うこと、それは人間としての欲求であり、それが制限されることで心身のバランスがくずれてしまう。また、別の原因で病となった場合でも、触れることで癒しとなり、今ある苦痛が和らぐこともある。その原理でセラピーを行うのがゆらし療法だ。触れているくらいの力加減で、筋肉に働きかけることで、心身ともに安心と安らぎを与える手法である。コロナ禍でロックダウン中ではあっても診療所は開けて、今必要としている人達のために治療を続けている。コロナと自然療法、デジタル化と対面・接触への欲求、これからを生きる私達の課題だ。

 

 

ドイツで自然療法  www.shimabe.de ハイルプラクティカー島部亜紀

 

写真提供 www.photo-ac.com